不動産広告を成功させるための重要なポイントとルール


自社ホームページの物件情報や不動産広告を出稿するためには、2つの重要なルールがあります。それは「宅地建物取引業法」(宅建業法)と「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)です。

これらのルールは、広告における事実を明確にし、消費者を誤解させるような表現を防ぐために定められています。

しかし、ただ単にルールを守るだけでは十分ではありません。

ルールの範囲で物件の魅力を最大限に引き出すための工夫が必要です。

物件の魅力を最大限に伝えるために

物件のアピールでは、ただ写真を掲載するだけでは見込み客にその価値を十分に伝えることはできません。

物件の特徴やメリットを具体的に説明することが重要です。

たとえば、南向きの家を広告する場合、ただ「南向き」と書くだけではなく、「南側公道に面し、LDKや居室があるため、日当たりが良い家です」といった具体的な表現を加えることで、見込み客が物件のメリットをより理解しやすくなります。

特に、LDKが15帖以上あるような場合は「南向きの広々したLDK約15帖」と表記すると、視覚的なイメージが膨らみ、反響が増えることが期待できます。

リフォーム、リノベーション物件

さらに、リフォームやリノベーションが実施された物件であれば、その内容を具体的にアピールすることが重要です。単に「リフォーム済み」と書くだけではなく、「20〇〇年にキッチンやバスルームを新調し、内装全体をモダンなデザインに改装した物件です」といった具合に、何がどのように改善されたのかを具体的に伝えると良いです。

例えば「リノベーションで広々としたオープンキッチンに改装し、家族とのコミュニケーションが取りやすい空間になっています」や「収納スペースを増設し、生活動線を改善した実用的なレイアウトです」など、改善された生活空間の特徴や利便性を強調することで、見込み客にとって住みやすい生活シーンをイメージさせることができます。

誤解を招かない表現を心がける

もちろん、広告で誤認される恐れのある表現や虚偽の情報を伝えることは宅建業法や表示規約に違反します。

例えば、物件の価格における「二重価格表示」や「おとり広告」「虚偽広告」は禁止されています。

こうした行為は信頼を損ね、結果的に物件の販売にも悪影響を及ぼします。

したがって、事実を基にした正確な情報提供を心がけましょう。

写真撮影のタイミングで差がつく

自社ホームページの物件情報や物件広告においては、写真のクオリティも非常に重要です。

「人形は顔がいのち」という有名なキャッチフレーズがあるように、物件の写真も「日当たりがいのち」と言えるでしょう。

特にLDKや居室の日当たりの良さをアピールする際は、日当たりの良い時間帯に撮影を行うことが求められます。

曇りの日に撮影してしまうと、明るさや開放感が伝わりにくくなってしまいます。

どうしても曇天や雨の日に撮影を行う場合でも、後日、晴れた日に再撮影を行うことを忘れないようにしましょう。

特に外観写真では、青空を背景に撮影することで、物件の印象が大きく変わります。 マンションのバルコニーやベランダからの眺望を撮影する際も、晴天の日に撮影することで、より魅力的な印象を与えることができます。

夜景の撮影は曇りの日でも問題ありませんが、昼間の景色を強調したい場合は、必ず晴れた日に撮影を行いましょう。

バーチャルホームステージングの導入

また、バーチャルホームステージングを導入することも、物件の魅力を最大限に引き出す方法として有効です。 バーチャルホームステージングは、デジタル技術を活用して、家具や装飾品を仮想的に配置し、空き物件でもまるで住んでいるかのようなリアルな生活シーンを演出することができます。

特に空室物件では、部屋が広く見えすぎたり、生活感が伝わらなかったりすることがあります。そこで、バーチャルホームステージングを活用して家具を配置することで、購入者が実際に住んでいるイメージを描きやすくなるのです。

例えば、「リビングに大きなソファとダイニングテーブルを配置し、家族の団らんシーンを演出」や「寝室に落ち着いたトーンのインテリアを配置し、ゆったりとした空間を表現」といった形で、バーチャルなシーンを作り出すことが可能です。

また、リフォームやリノベーションを実施した物件にバーチャルホームステージングを取り入れることで、改装後の空間の魅力をさらに際立たせることができます。

キッチンや広々としたリビングを魅力的に演出し、購入検討者に「ここで生活してみたい」と思わせることができます。

バーチャルホームステージングは、費用対効果も高く、現実の家具を借りてステージングするよりも低コストで実現できるのが特徴です。

これにより、自社ホームページの物件情報や広告に使用する写真の質が向上し、物件への興味を引く可能性が高まります。

バーチャルホームステージングにおける広告ルールの注意点

バーチャルホームステージングは、物件の魅力を引き出し、購入検討者にリアルな生活イメージを伝えるための有効な手法ですが、広告に使用する際にはいくつかの重要な注意点があります。

これらのルールを守らないと、消費者に誤解を与え、不動産広告に関する規約に違反する可能性があるため、慎重に対応することが求められます。

虚偽広告に注意

宅地建物取引業法や不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)に従い、バーチャルホームステージングを使用する際には、事実と異なる表現をしないことが大前提です。

デジタル技術で家具や装飾品を追加する場合、現実にないものがそのまま物件に付随しているように見えることがあります。

たとえば、「家具付き物件」ではないにもかかわらず、ステージングされた写真から購入者が「家具が含まれる」と誤解してしまう場合があります。

このため、バーチャルホームステージングが使用されている旨を明確に表示し、実際の物件の状況と異なることをはっきりと伝える必要があります。

実際の広さや構造を誤認させない

バーチャルホームステージングでデザインを加える際、部屋の広さや間取りを実際よりも誤解させないようにすることが重要です。

デジタルで配置した家具が小さすぎたり、空間が現実より広く見えるように加工されたりすると、購入者に誤った印象を与える可能性があります。

特に、狭い部屋を広く見せるために過度に加工された画像は、虚偽表示に該当する可能性があるため、部屋のサイズや実際のレイアウトに基づいた適切なステージングを心がける必要があります

事実と異なる設備の表示は避ける

ステージングにおいて、実際には設置されていない設備を描写しないことがルールの重要なポイントです。

例えば、ステージングで高級な照明やシステムキッチンが追加されている場合、それが物件に実際には含まれていないと誤解させると、表示規約違反となります。

見込み客が設備も含まれていると誤解しないように、ステージング写真で追加されたアイテムについては、物件価格に含まれないことを明示する必要があります。

バーチャルステージングの使用を明示する

バーチャルホームステージングを使用した広告写真には、「この写真はバーチャルステージングで作成しています。」「CGで作成されています」などの注意書きを明確に表示することが必須です。

これにより、消費者は現実の物件とデジタル技術によって加えられた要素を区別しやすくなり、誤解を防ぐことができます。

特に自社ホームページの物件情報やオンライン広告、パンフレットでの掲載時は、バーチャルステージングが施された写真に対して、この表示を適切に付けることが求められます。

これを怠ると、消費者が実際の物件と写真の差異に驚き、不信感を抱く可能性があります。

まとめ

自社ホームページの物件情報や広告を掲載する際には、宅建業法や表示規約を守るだけでなく、ルールの範囲で物件の魅力を的確に伝えるための工夫が不可欠です。

特にリフォームやリノベーションが行われた物件については、その具体的な内容を丁寧に説明することで、見込み客に物件の価値をしっかりと伝えられます。

また、質の高い写真を撮影することやバーチャルホームステージングを導入することで、物件の魅力を最大限に引き出し、反響を高めることができます。

自社ホームページの物件情報や広告は単なる情報提供ではなく、感情に訴えるメッセージの一環として捉え、魅力的なアピールを心がけましょう。